前身である日本人間工学会・看護人間工学部会は、1992年に設立された以降、2018年までの間に26回の総会・研究発表会の開催、および第19巻まで研究誌の発行が行われ、人間工学分野の一領域として、看護に関する人間工学についての学術的探求に取り組んできました。看護学そのものが「実践の科学」と自称しながらも、学術的視点や学術的探求のための独自の方法論を持たないため、看護の人間工学を探求するにあたり、母体である人間工学会に多くの後ろ盾をいただきながらの活動でありましたが、この26年間の活動成果は十分にあり、社会に還元できたと言えると思います。そして、本部会は、さらなる進化に向かい、自立・自律性をもって活動すべき時期が来たものと考えます。
そこで、2019年(令和元年)年5月1日に、「看護人間工学会」を設立することとしました。その趣旨は、超高齢、少子社会のなかで、誰もが安全、安心して健康な生活を送るためのケアシステム構築は近々の課題であること、ケアシステム構築には、ケアを受ける当事者目線で「感じ」「考え」「整え」「創る」「つながる」ことが大切であり、その当事者目線に最も近い目線を持つのが看護であること、そして、当事者目線に近い看護の視点で人間工学を学際的に探求、発展させることです。
看護人間工学会の目的は、看護人間工学にかかわる研究を通して会員相互の学術・学際的研究活動の推進に寄与し、その成果を社会に還元することと考えます。
また、看護人間工学会の基本方針は次の通りとする予定です。
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- ケアの受け手(当事者)目線を持つ者であれば、できるだけ職種・立場を制限せず広く、会員として受け入れる
- ケアの受け手にも提供する者にも優しい人的・物的環境、労作の効果効率性、ケアシステムを探求する
- 常に看護人間工学とは何かを学術的に探求する
- 社会への啓蒙活動、成果の還元を積極的に行う
以上の趣旨に賛同する様々な分野の参加をお待ちしています。
平成31年4月22日
発起人代表 水戸優子(神奈川県立保健福祉大学)
発起人(あ順) | ||
阿曽洋子(武庫川女子大学) | 伊丹君和(滋賀県立大学) | 小川鑛一(元東京電機大学教授) |
小野保(岩手看護短期大学) | 金壽子(神奈川県立保健福祉大学) | 國澤尚子(埼玉県立大学) |
小林由実(神奈川県立保健福祉大学) | 佐伯由香(愛媛大学) | 髙橋眞理(順天堂大学大学院) |
田中美智子(宮崎県立看護大学) | 徳重あつ子(武庫川女子大学) | 中島佳緒里(日本赤十字豊田看護大学) |
長坂猛(宮崎県立看護大学) | 西田直子(京都先端科学大学) | 野崎真奈美(順天堂大学大学院) |
野呂影勇(早稲田大学) | 樋之津淳子(札幌市立大学) | |
平田雅子(元神戸市看護大学短期大学部教授) | 箕浦哲嗣(愛知県立大学) | |
宮本征一(摂南大学) | 村上生美(森ノ宮医療大学) | 山崎信寿(慶應義塾大学名誉教授) |